空き家は宝の山?若者に広がる“低コスト生活”の選択肢

近年、日本の若者の間で注目を集めているのが、「空き家を活用した低コスト生活」です。かつては高齢者の問題とされていた“空き家”が、今や若い世代にとってのチャンス資源=宝の山として再評価されています。 都市部の高騰する家賃や、長期にわたる住宅ローンを避けたいというライフスタイル志向の変化により、「所有しない」「お金をかけない」「地方に移る」といったミニマルかつ自由な暮らしを選ぶ人が増えているのです。

🏚 日本における空き家の現状とは?

総務省の住宅・土地統計調査(2023年)によると、全国に存在する空き家はおよそ920万戸以上。全住宅数の13%以上が「使われていない家」となっており、その多くが地方に集中しています。

中でも目立つのが以下のような地域です:

  • 山梨県、和歌山県、徳島県などの中山間地域
  • 鉄道や商業エリアからやや離れた郊外の住宅街
  • 相続や高齢化によって放置された古民家タイプの物件

これらの物件は「売れない・使えない・壊せない」といった理由で放置されることが多く、自治体や地域住民にとっては課題となってきました。


👨‍🎓 なぜ若者が“空き家”に注目しているのか?

今の20~30代の若者が空き家に魅力を感じる背景には、以下のような要因があります:

✅ 1. 都市部の家賃負担が重すぎる

東京や大阪などの大都市では、ワンルームでも月8万円以上が当たり前。手取りの3〜4割が家賃に消えていく生活に限界を感じる人が多く、もっと「住」に自由度を求める傾向が強まっています。

✅ 2. ローンを組みたくない/定住したくない

「一生のローンに縛られたくない」「いつでも移動できる柔軟な暮らしをしたい」というミレニアル世代・Z世代特有の価値観が背景にあります。

✅ 3. DIYやセルフリノベーションの流行

SNSやYouTubeを中心に、「ボロ家DIY」「古民家再生Vlog」などのコンテンツが人気で、「自分だけの空間を作る楽しさ」に共感する若者が増えています。


🛠 若者による空き家活用の具体例

◉ ケース1:28歳ITエンジニア(長野県)

東京のIT企業に勤めながらリモートワークを選択。空き家バンクで見つけた**築50年の一軒家(価格:30万円)**をDIYで改装し、ワークスペース兼住居として活用。月々の生活コストは東京時代の半分以下に。

「家にお金をかけず、自分にかける時間が増えた。ストレスも激減です。」

◉ ケース2:25歳カップル(高知県)

移住補助金+空き家活用支援を利用し、空き家を拠点に地域の観光ゲストハウスを開業。家賃ゼロ+補助金で初期投資を抑え、SNSマーケティングで集客にも成功。

「夢だった“田舎で暮らしながら稼ぐ”が、空き家で実現しました。」

🏘 空き家バンク+若者支援制度が広がる

多くの自治体では、若者層の移住を支援するための制度を強化しています:

  • 移住支援金(最大100万円)
  • 空き家改修補助金(最大200万円)
  • 起業支援制度/地域おこし協力隊の採用

これらを活用することで、初期費用を大きく抑えながら地方での新しい生活をスタートできる環境が整っています。


🔑 空き家は“住まい”だけでなく“選択肢”でもある

空き家を活用することは、単に安く住むというだけでなく、「どこで、どんなふうに生きるか」を選ぶ手段でもあります。 都市から離れた場所にあるからこそ、時間や人間関係、自然との距離感が変わり、人生そのもののペースが変化するのです。


✨ まとめ:若者こそ空き家を活かせる時代へ

日本の空き家は、今まさに若者によって“再定義”されています。 かつては「負の遺産」とされていた住宅が、若い世代にとっては「自分らしく生きる武器」となっているのです。

空き家は、住む人が現れて初めて価値を持ちます。 もし今、自由な生活・低コストな暮らし・地域とのつながりを求めているのなら、それは空き家から始まるかもしれません。